昔々、まだ私たちの世代が子供の時代。CDはまだ無くて、レコードというものがありました。よく見掛けたのは、ドーナツ盤とも呼ばれるEP(45回転)や、黒くて大きなLP(おおむね33回転)などでした。他に、SPなどもありましたが実際に見掛けることはありませんでしたね。
そういう時代に、簡易に音を配布する手段として使われたのがソノシートという安っぽいペラペラの薄い円盤です。本の付録などに付いていることがあって、これをレコードプレイヤーに掛けると、アニメ特撮の主題歌や、ミニドラマなどが聞けました。変わり種としては、コンピュータソフトを入れたソノシートというものもありました。パソコン雑誌の付録として、本当にあったものです。音でデジタル情報が記録されていたわけですね。
しかし、本にも容易にCDが付けられるこの時代、もはやソノシートを見掛けることもなくなって、既に忘れ去られたかのように思っていましたが。
2003年の今になって、あえてソノシートを付録に付ける大胆きわまりないものを見つけました。
それは、スクエアエニックスのゲーム、「半熟英雄対3D」の初回限定の特別版です。ちなみに、半熟英雄は「はんじゅくひーろー」と読みます。半熟英雄は、マニアの間で評価の高かったファミコン時代のゲームだそうです。そのあと、スーパーファミコンの時代にもう一度制作され、今回のものはそれから10年ぶりの新作だそうです。私はこれらの過去のゲームをやったことがありませんが、なぜかスーパーファミコン版のサントラCDを持っていたりします。しかも、MP3化してプライベートなジュークボックスに入れてあるので、ジュークボックスの1ローテーション(1ヶ月以上掛かりますが)の間に必ず聴いているという状態です。
そんなわけで、いくつか気になることもあったので、つい「金がない上に遊ぶ時間もろくに無いくせに」買ってしまいました。
もちろん、付録にソノシートが付いているということは、発注時点で分かっていたことです。しかし、うかつにも、昔のソノシート付き絵本のような形態だと思い込んでいました。
実際に開けてみるとびっくり。ソノシートは厚紙に回転可能な状態で固定されていました。そして、何やら折り曲げて使う指示と、カバー付きの針がありました。そう。厚紙を指示通りに折って、厚紙に固定された針をソノシートに落として、利用者の手でソノシートを回転させると。そんな方法で聴くように、という構造になっていたのです。
言われてみれば、今時、ソノシートを聴ける環境を持っている人など、ほとんどいません。一部のマニアとDJ志望者ぐらいしか持っていないのではないかという気がしますが、ともかく少数派でしょう。しかし、こういう大量に販売される製品なら、レアなプレイヤーが無ければ聴けない、ということでは不親切でしょう。そういうわけで、こんな構造が工夫されたのだと思います。
これはびっくり!
それはさておき、あまりにもったいなくて、実際にはまだ針を落としていません。いったい、どんな内容が入っているのでしょうね。
ちなみに、ゲームそのものの情報はここ。
https://www.square-enix.co.jp/games/ps2/hanjuku/
初回限定の特別版のオマケの一覧は以下の通りです。何とも、昔の子供向け雑誌的なテイストが溢れていて泣けますね。
1 ウエマツ博士のエッグモンスターひみつソノシート
2 とびだす!3D軍団スコープ
3 半熟かるた
4 紙ずもう半熟場所
5 あ・た・し(ハートマーク)超立体お面
6 エンディング用ひみつぶくろ
7 別冊鉄拳ミニスケッチブック